東急線渋谷駅
東横線で切符を買おうと思ったら、おばあちゃんが隣でどう買って良いか分からず立ち止まっていた・
「何処まで行くの?」と訪ねると「桜木町まで・・。でもどうやって買って良いか分からない。」という。
お金を入れて買ったあげた。ちっちゃくてボタンまで手が届かない。確かにあれじゃ可愛そうだ。「じゃね!」といって別れた。
後ろから2両目に立っていると、そのおばあちゃんとことこと後ろから歩いてくる。
社内は少し混雑気味。当然席など空いてない。吊革じゃあ身長が足りない。僕の隣をすれ違うとき、僕の左斜め前に座っていた女の子が、わざわざおばあちゃんを手で”とんとん”とたたいて席を譲った。
年にして18〜19才位。就職活動中の女子大生といった風貌。
隣はサラリーマン。おやじにおばさん。その子はすっと立ち上がって何も無かったように吊革につかまる。
最近の女子大生も捨てたもんじゃないな。月並みなおやじの思う言葉。でも、嬉しかった。まだまだこれからの日本も未来はありそうだ。
早く就職決まると良いね!と心の中で思った。
おばあちゃんを見ると、もうすでに眠ってしまっていた。このままずっと寝て行って、終点で起こされるんだろうな?おばあちゃんはいつもこうして、若い人から席を譲ってもらうのかもしれない。
おばあちゃんが最近の若者の優しさを一番知っているのかも・・。何を思って眠っているのだろうか?
その後仕事にもどった私は、そんな出来事をすっかり忘れて忙しさに追われるのだった・・。
会社のおやじ
会社のトイレに入った。ビルが新しくウオシュレット付き。(これが小生の一番のお気に入り。)そしたらいきなり、窓から外を眺めながらズボンを腰まで下げて、股引の中にワイシャツをしまっているおやじがいた。
そのおやじ(たぶんどこかの部署の部長・・。)の後ろ姿、自分は窓から外を見ているのでその哀れな姿など全く気づいていない。
当然俺が入ってきたことも気づかない。まあ、別に黙っていればいいかあ・・。
大好きなウォシュレットに入ってドアを閉めた瞬間、「ちゃり〜ん!」おやじのズボンのポケットに入っていた小銭が床に転げ落ちた。
ドアを閉めた俺の所にも100円玉が2枚転がってきた。「あっ!」。まだドアを閉めただけで、ベルトもゆるめてなかったのでその100円玉を拾ってあげた。その途端ドアの外で「どざっ!」。ななんだ?
カギをゆるめドアを開けた目の前には、ズボンを腰まで下げた状態のおやじが倒れていた。「だ、大丈夫ですか?」
「いやいや、ズボンを直していてねえ・・・。」言い訳をするおやじ。俺は笑うに笑えない顔で、「これ落ちましたよ。」と200円を返した。
お金落としたって誰も盗みゃしないんだから、ズボンをちゃんとあげてから拾えば良いのに・・。人のふり見て我がふり直そう!と思ったが、俺は絶対に、窓の外を眺めながら、それも会社のトイレで股引にワイシャツを入れる余裕などない!
倒れた彼の背中には、「もう年だな・・。」という言葉が見えたような気がした。倒れた彼に手をさしのべたが、照れくさそうに自分で起きあがった。
素直に俺の手を借りれば良いのに。その素直さがないから、若者とコミュニケーションがとれないんじゃないかな?心のなかでそう言った。
九段のおやじ
客先に行かなきゃ行けなくて九段下の駅で降りた。昼飯を食ってなかったから、15分でマックでたべようと思って中に入った。(ビッグマックセット結構安いねえ。)
ポテトを食べるから手を洗いたかった!おまけに外は埃っぽかったからうがいもしたかった。かぜの予防にはうがいが一番。そこでトイレに行った。でもドアにカギ。しょうがない待つとするか・・・。
ふと時計を見るとあと10分しかない。げっ!しょうがないあきらめて洗わない手と、うがいのできない喉で食事をしよう・・。でも、トイレ長いヤツだな・・。
急いで食べて残りあと3分。トイレからはまだ出てこない・・。そんなことかまってられないのでまあいいや・・。食べ終わったものを捨てて、階段を下りようとしたところに、トイレから38才くらいの若おやじが出てきて、つかつか急ぎ足で俺の前を歩く。”こいつ何だよ!本当に自分のことだけしか考えてねえヤツだな!”頭に来た!
「おいあんた自分の事ばかり考えてねえで、少しは周りを見ろよ!こんなとこでじっくりウンコなんかしてんなよ!おかげで手は洗えねえし、うがいだってできなかったじゃないか!!」と、言おうかと思ったけど、そのおやじもかなり急いでいる様子だ!
だってズボンのチャック半分空いてる。だから、「あの〜!」と言って教えてあげた。申し訳なさそうな顔をしてそそくさと行ってしまった。
なんだかやっぱり忙しい1日の出来事だった・・。
だから何なんだ?って感じだよね。そんだけでした。私は、ただ疲れてその日の約束先へ急いだのでした・・。
蒲田のおやじ
道を歩いていたら、俺の横を車が通り過ぎた。駅の周辺なので人通りが激しい。特に蒲田は、京浜工業地帯の下町の人々でにぎわっている。交差点で車が止まった。人が横断しているのを待っているのだ。
鼻歌まじりでスーツ姿の自転車に乗ったおやじ登場。道を我がもの顔で走っている。止まっている車の後ろにこのまま行くとぶつかりそうだ!
一生懸命ちゃりんこについているベルを鳴らしている。「チリンチリンチリン!」
止まっている車に聞こえる訳が無い。
おやじはそのまま車の後ろに突っ込んだ!おやじの顔色が変わった!口をとがらせて何かを叫ぼうとした。車は、おやじが叫ぶ前にブーンと音を立てて排気ガスとともに走り出してしまった!
後に残ったのは、車の排気ガスのモヤモヤの中に、叫び損ねた怒りをどう表現していいか分からないおやじ。モヤモヤが無くなるとおやじのちゃりんこのタイヤは曲がっていた。
その光景を見ていた俺は、思わず大笑いした。しかし、その出来事に気が付いたのは、俺とそのおやじだけだった。
きっとそのおやじは、いつも誰にも気づかれない人生を送ってきたのだろう。
そのおやじの後ろ姿は、曲がってしまったタイヤの様に哀れだった。
目黒のおやじ
朝、会社に行くとき目蒲線の自動改札口で通過できずに女の子が止まっていた。朝は通勤の客でごったがいしている。よく見るとその子は黒人の女の子で、自分に何が起こったのか分からず、オロオロしていた。
そこに無責任な最悪のサラリーマンのおやじが「何やってんだ。全くう。」
その女の子がどうして良いか分からない姿を見かねた女性が、切符を取ってあげて、係りのところに行きなさいと説明していた。おやじは、俺の前に横入りして急ぎ足でそこを過ぎ去ろうとした。
思わず「お前みたいな奴がいるから、日本は国際社会において行かれるんだよ!」と言ってしまった。拳を作り後ろを振り向いたおやじ。
蹴ってやりたかったが、蹴れなかった。おやじは「何を!」と言いながら俺に向かってきたが人混みの中、うまく俺に交わされた。
そのまま俺は電車に乗ってしまったが、そのおやじの言動が許せず、その日の会社に行くまでの道のりは気分が最悪だった。女の子の姿が頭に焼き付いた。
何で日本はこんな奴が居るんだろう?
ハワイから帰ってきた次の日だったから、余計にそう思った。
ずーっと毎日同じ事の繰り返しで、同じところにしか居ないとそうなってしまうのかな?俺は、こんなおやじにならないために毎年海外に行きたいと思う。