Report from Jakaruta3
(by Ms. Miki Maeda)
Index|King's Newsletter|Beauty&Beast|What's King|EventSchedule|Homepage Links|TaboHomepage


ジャカルタ通信1/ジャカルタ通信2


2000年4月25日

 いやあ、お久しぶりのじゃかるた通信です。
今年に入ってほとんど出していませんでした。ごめんなさい。
さて、今年に入って引っ越し、入学(2月から大学生)でとても忙しくなってしまい、ほとんどご無沙汰。しかし、メディアヌアンサインドネシアというタブロイド紙にじゃかるた通信のようなものを月一連載していますので、インドネシア料理屋などで見かけた方は読んで見てくださいね。

さて、今年に入って一番のニュースは
1.水難の相
「ダンナのゴフルバッグ、溺れる!」
 雨季のジャカルタのゴルフ場の川はハンパじゃない。日本のゴルフ場みたいなさらさら流れる小川なんてこっちにはないです。雨季ともなれば茶色いごみ混じりの水がゴウゴウと音を立てて流れております。
 そして、2月に事故が。いつものコースで、いつものように橋のかわりの近道の堤防の上を一列になって渡っていたら、背後で悲鳴。そしてふりむけばダンナのキャディ(女の子)とゴルフバッグが川にどぼん。パーティの人々は
みんなで「離すな、離すな」とゴルフバッグの心配。しかし力尽きて彼女が手を放し、バッグはあえなくタイタニックのようにぶくぶく沈んでいったそうで
す。まわりの暇そうな人々(こっちのゴルフ場には従業員でもなく、プレイヤーでもない人がたくさんいます)にお金をあげて、バッグとキャディちゃんを引き上げてもらいました。ここでキャディの安全よりゴルフバッグを優先する
ダンナ達を「ひっでー」って思うよね。でも、一年も住めば、この国で人は全然平等じゃないことがわかってくる。日本人なんてまだいいようだよ。
こっちの人と話がかみあわないのはその点です。
だって彼らは下の階層(キャディ、メイドさんなど)の人たちは同じ人間だと思ってないから。悲しいけどシビアな現実。こっちのゴルフ練習場ってさ、まだ打ってても球拾いの人が平気ででてくるもん。

 さらに「水難事故、その2」
そして、こんなことを言っているうちに我が家にも水難の相が。引っ越したマンションは水が出るので有名。だいたいジャカルタって中心部の主要道路でもちょっと雨がふるとすぐに水がでる。家のある地帯は水がでやすいので有名。ある日ダンナの運転で、ごはんを食べて帰ってきたらマンションに入る道が20メートルほど、膝上浸水していた。てんぱってる
近所の人々はすごい形相で「もどれ、もどれ」という。こういう時インドネシアの人の顔はすごく怖いです。しかしダンナはその直前に駐車場係とけんかして「インドネシア人信じられんモード」に入っていた。親切なおっさんの制止をふりきり車で突入。おそるおそる進むが本当に結構すごい。10mほどで路肩(高くなっている)によせて再びチャレンジ。
 しかし道路がすり鉢状になっているので、助手席のわたしのほうは、もう全然水にひたっている状態。とっくにタイヤは越えている。
ああ、これが窓の上まできたらどーなるの?と映画のワンシーンを思い浮かべる私。ついに足元に冷たい感触が。あわてた足をあげたが、日本で買ってきたパンツのすそは水に。インドネシアには下水道がない。
ということはこの水って。と考えるとこわいのであまり考えないことにしました。
車はやっと20mを乗りきりマンションに。しかし足をあげたままの、助手席の下ではチャプンチャプンと水音が。着いてからドアをあけたらざーっとこぼれるほど、水が入っていました。しかも助手席のみ。「インドネシアの人のいうことをきかないからだ」と、帰ってからケンカになりました。

2.引越し
 契約期限切れで、クーラーのない一軒家からお引越し。ついてきたのはメイドのディナちゃんと猫二匹。ついてこれなかったのは門番のムル君とイタチ君。
 イタチ君は誰かに引き取られ、ムル君はテンペ売りに。職は探してあげたのですが、今時一軒家に住む日本人は稀少。インドネシア人でもいいよねと念押ししたら、嫌な顔をする。あんた、このご時世になに贅沢いってんの?といっても我が家に住んで、マンションの扉を開けてもらうわけにもいかず、結局いまいち外見も頼りなく、中身はもっと頼りないムル君は、面接でもことわられてばかり。立派な推薦状を書いたが、さすがに「悪いことはしません」としか
書けなかった。やっぱ、我が家での二年間甘やかしすぎたもんね。

 最後のお給料を渡しに行ったとき、泣き付かれて困りました。こういう時、こっちの人の根拠のない「ミンタミンタ(下さい下さい)」に出会うと本当に困惑してしまう。失業保険もないこの国で、先の保証はしてあげられないから
相場より高いお給料を出しているのに、その意味はわかってもらえない。
 宵越しの銭はもたねえって、江戸っ子じゃないけど、それがインドネシア人。まあ、持ちたくてもないんだけどさ。
わたしだって引っ越したくて引っ越したわけじゃないけれど、リストラを断行する経営者の気分でした。ここ国で、失業者の数を増やすのに貢献してしまった。
しかし、ここで無理にでもムル君をどこかに就職させなかったことをあとで後悔することになろうとは……

4.ディナちゃんとのお別れ
 そんなこんなで、引越しして2ヶ月したら、今度はディナちゃんの妊娠が発覚。
さらに、結局ジャカルタでは暮らしていけない失業中の夫ムル君とディナちゃんは女房の実家を頼ってカリマンタンに帰ることになりました。
しかしカリマンタンは遠い。マレーシア、ブルネイと同じ島、旧ボルネオです。

 多分帰ったらもう二度と戻ってこられないだろうな。こちらでは子供を田舎にあずけて都会に出てくるお手伝いさんが多いのですが、カリマンタンでは期待薄。二年間、あなたのおかげで快適な生活でした。でも多分もう
二度と会えないディナちゃん。ほんとうにありがとう。
 しかし雇い主としては複雑な気分。私たちが引っ越ししたのを機にひとつの家族の運命が大きく変わってしまったのだから。
最後に抱きしめたディナちゃんの体は汗ばんでいて、しっかりした骨格で、忘れられない感触でした。

前田美紀

お知らせ

5・7発売のアエラに、3ページの取材記事を書きました。コラムではずっとお世話になっていたアエラさんですが、長い記事を載せていただくのは始めて。ずっと取材しているジャカルタに嫁ぎ、暮らす
日本人女性の話です。ぜひ読んでください。

わたしのセレクションしたアジア小物が、友人のインテリアショップに入りました。ちょっとしたお知らせをラ・ヴィ・ド・トランタン4月号156ぺージに載せていただきました。
興味のある方は メイクランド (港区白金3−8−9 03−3444−9801)
をのぞいて見て下さい。